2013年7月29日月曜日

【求人】鹿児島をもっと面白くする仕事、一緒にやりませんか?

マチトビラでは、一緒に鹿児島に面白いことを仕掛けていく仲間(フルタイムスタッフ)を募集しています!鹿児島のイノベーティブな企業と若者たちを繋いで新たなチャレンジを生み出すコーディネーター、その裏側を支えていく事務スタッフ、関心のある方は下記をお読みの上、ぜひ一度ご連絡ください!皆さまからのご応募をお待ちしております。

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◆募集の背景
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マチトビラは鹿児島を支える企業様の更なる発展のお手伝いと、これからの社会をリードする優秀な若手人材の育成を目指し、「未来に資する事業」として長期実践型インターンシップの企画・運営などを行なっています。

2011年4月に起ちあげて以来、106人33企業のコーディネートを行なってまいりました。少しずつですが、企業様の経営課題解決に繋がる事例や、未来の担い手になりえる人材の輩出事例などが出来てきました。

今後、本事業の価値を高めるべく、フルタイムスタッフを募集したいと思っております。ご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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◆募集職種
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①長期実践型インターンシップ事業のコーディネート業務
鹿児島のイノベーティブな企業と若者たちを繋いで新たなチャレンジを生み出す仕掛け人としての役割を担っていただきます。(企業開拓、プロジェクト設計(企画提案)、学生集客(接点づくり)、学生のキャリア支援など)

②経理・総務などの事務局業務全般
長期実践型インターンシップ事業のバックヤードを支える屋台骨になっていただきます。事務だけでなく、研修や場作りの現場にも積極的に出ていただきたいと思います。(経理事務、総務事務、研修設計など)

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◆給与
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①16-25万円/月
②16-20万円/月
(※経験・業績・能力・貢献に応じ当社給与規定によります。

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◆給与以外の報酬
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・通勤手当/各種社会保険あり。

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◆勤務地
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鹿児島市易居町1-2-6F ソーホーかごしま15号室
(※鹿児島市役所 みなと大通り別館6階
(※電停「市役所前」から徒歩1分

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◆勤務日時
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9時00分~18時00分

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◆休日・休暇
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週休2日(土・日)、祝祭日、夏季休暇、年末年始
(※繁忙期やイベント時に振替出勤あり

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◆応募条件
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・マチトビラの理念に共感し、熱意と夢があること。
・社会人としての就業経験を持つか、それに類する経験を有すること。
・心身ともに健康なこと。

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◆求める人材像
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▼興味・関心
・ポジティブで、コミュニケーションが好き、人が好き、おせっかい。
・決められた事をやるだけでなく、主体的に考え積極的に行動できる人。
・ミッションの実現にこだわり,目的を意識して仕事に取り組める人。
・自分の給料は自分で稼ぐという自立心を持ち、自分から仕事を見つけていける人。

▼経験・スキル
・大学卒業
・社会人経験3年以上、「マーケティング」「広報」「企画」または「法人営業」の職務経験がある。
・Word・Excel・PowerPointをビジネスレベルで使える。
・マネジメント経験があれば尚可。
・社内外の調整業務をスムーズに行える。
・SNSやネット上のサービス利用が苦にならない

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◆応募方法
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ハローワークからの事前連絡の上、
 ・ハローワーク紹介状
 ・履歴書
 ・職務経歴書
をご送付下さい。

書類到着後7日以内に、書類選考結果・面接日時等をご連絡します。

※ハローワーク求人番号
 ①46016-3583631
 ②46016-3584931

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◆お問い合わせ
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マチトビラ(担当:末吉、石川)
TEL:099-216-8115
E-mail:info@machitobira.org


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◆(参考)マチトビラの組織概要
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http://www.machitobira.org/pdf/20130726.pdf

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◆(参考)マチトビラのミッション
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< 経営支援 >

企業に、

経営者と熱く語り合える当事者意識の高い若手人材や、全国各地の魅力的な挑戦者との接点を提供することで、

社員それぞれが入社当時・創業当時を思い出せる機会を生み、社会の変化に対応する組織づくり・経営理念達成への手応えを共に探り、

後世に渡って愛される企業になるお手伝いをします。

< 人材育成 >

若者に、

「はたらく」に向き合う機会や、ロールモデルとなり得る大人との関わりを、他にはないほど濃く提供することで、

仕事で全力疾走する感覚や、生涯を支える原体験、自分を叱咤激励する気質を得られるようにし、

彼らが挑戦を楽しめる心と体力を持ち、社会から期待される人材となるお手伝いをします。

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◆(参考)事業概要と実績
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▽長期実践型インターンシップの企画・運営
 ・2011年4月~2012年3月:内閣府・地域社会雇用創造事業 の一環として地域事務局を担当
 ・2012年4月~現在:鹿児島起業家留学として長期実践型インターンシップを自主事業化。
 これまでに106名の若者が、33団体の受入先にてインターンシップを実施。

▽キャリア教育プログラムの企画・運営
 ・志學館大学 非常勤講師(キャリア開発演習Ⅰ・Ⅱ)(2011年度~)
 ・鹿児島国際大学 外部講師(教養特講Ⅲ)(2012年度~)
 ・鹿児島大学 非常勤講師(実践キャリアデザイン)(2013年度~)

▽中小企業・NPO法人向け経営支援
 ・2012年7月~2013年3月:鹿児島県 新しい公共事業の一環として、かごしま寄附募集支援事業を実施。鹿児島県内NPO約30団体の寄附募集支援や、寄附に関するセミナー、啓蒙活動、プロボノ支援などを行う。
 ・Greenz.jpのローカルライターとして、鹿児島のグッドアイデア、グッドトピックスを発信中。

▽イベント・ワークショップ等の企画・運営 ・社会人と学生の交流会、キャリア・デザインワークショップ、
  ファシリテーション養成講座などを開催。

2013年7月28日日曜日

第三回 岩切剛志さんに取材 vol.1

2013/05/28 @鹿児島県庁

  第三回目のインタビュー相手は、鹿児島県庁職員の岩切剛志さんです。
岩切さんは、大学院で研修を受けたり、奄美大島でお仕事をなさったりと、多種多様な職場で働いた経験をお持ちです。現在は、鹿児島県人事委員会事務局長として働いているだけではなく、職員による自主研究会『かごしまプランナー』を運営するなど、積極的に活動なさっています。
 岩切さんは、公務員の仕事について一体何を語って下さるのでしょうか。
      



1.公務員の仕事をしていて楽しかったことはなんですか?

 国内留学と奄美大島で働いたことです。
 まず、国内留学とは。県庁には、色々な研修制度があります。例えば、国の色々な省庁との人事交流があります。海外勤務もあります。自治大学校などの長期研修もあります。また、各県との交流もあり、九州だと、熊本県、宮崎県との交流がありますし、薩摩義士による宝暦治水が縁で、岐阜県との交流もあります。その他、日常的な職員研修も豊富です。
 その中で国内留学というものがありました。私は、埼玉大学大学院政策科学研究科、現在の政策研究大学院大学に行きました。政策学研究科では、行政の仕事を従来の経験を勘ではなく、科学的に分析し複数の選択肢を示す手法を学びました。私の時は、国から10人、地方から10人、アジアからの留学生20人、くらいが一学年でした。二年間研修を行い、修論を書いて卒業という形式でした。
 そこで、科学的な手法を一年間学びましたが、帰ってきた職場は、現在の市町村課。政策を科学する余裕がなく、交付税を算定するために市町村からデータを集めて、それを様式に入れ込んで、間違いがないかチェックをして、総務省に送る。データを集めて、毎年毎年の地方交付税を決めていく。そんな仕事内容でしたので、帰ってきた職場は埼玉の研修で学んだことをすぐに活かせるような職場とは言えませんでした。
 だけど、やっぱり後に繋がりましたね。研修で学んだ視点や視野は共生協働や鹿児島プランナーで物事を考える時に繋がりました。また、経験や勘だけではなく、データを分析して考えるということが身につきました。さらに、研修先で友達が出来ました。今でもメールのやり取りをしたり、同窓会を行ったりしています。国から来ているキャリアの方や、地方から来ている方も優秀な方だったので、とても勉強になりました。今でもお付き合いがあるので、この面はプラスだと思います。
 次に、奄美大島で働いたことをお話します。「鹿児島県庁に入って、本当によかったなぁ」と思う瞬間でしたね。奄美大島の名瀬市、現在の奄美市の大島支庁で働きました。県内の赴任や出張で、飛行機代を使うんですから、他県ではこんなところないですね。
 奄美大島は、歴史や、文化、自然、食、祭りなど‥。鹿児島本土とは随分違います。また、いわゆる陰暦(旧暦)に基づく行事が現在も脈々と受け継がれており、それが生活に入り込んでいます。そういったものは、鹿児島では廃れてきているものです。人口は全体で10数万人ですが、本当にすごいところです。色んな出身の作家さんや研究者など優秀な方も多く、奄美にまつわる書物もたくさん出版されています。南海日日新聞など新聞社もあります。そのような地域は全国見ても中々ありませんね。
 奄美大島は、本当に海が綺麗です。さらに、奄美の森がすごい。圧倒的な存在感なんですよね。4月は新緑が鮮やかで、パワーが圧倒的。山が深く、緑が集落に迫っています。また、海も面白い。リーフって知っていますか?リーフとは、サンゴ礁のことです。サンゴ礁が発達していて、干潮になるとずっとリーフが見えています。海岸線から100m、200m、ずっと天然の防波堤みたいな感じ。地元の人は、リーフで魚や海藻など海の恵みを頂く。得がたい体験をしたと思います。


2.公務員の仕事をしていて、よかったなと思うことはなんですか?
 
 仕事が目に見えた時かな。例えば、企画部の交通政策課時代。
 地域交通係長という仕事をしていました。入庁してから、2箇所目の係長時代です。鹿児島県は離島が多いので、結構、補助航路が多いんですよ。例えば、甑島や喜界島、さらに離島の中の離島の奄美大島の加計呂麻島などいくつか補助航路があります。この中に個人航路もちょっとあります。その中で、古仁屋から請島、与路島に定期船が通っています。その船は、10~20数年前のものだったので、速度も遅くなっているんですよ。請島、与路島は畜産をやっているので、牛豚を運搬するのだけど、前の船はその牛豚の部屋
が船の前の方にありました。前だと、後ろにある客室に臭いが届くんですよね。これが問題点でした。また、船も小さいので、海峡の外に出ると、うねりがある時はすごく揺れます。さらに、車を積むときに、クレーンで積むしかなくて大変でした。このように多くの課題がありました。そこで、地元の担当者と色んな議論をしながら、意見も要望も聞いて、いい船を作りました!家畜を後ろにして、車は自走式で乗れるようにして、スピードも上げて。
 私がいた、交通政策課は、どちらかというと交通対策課と言われていました。例えば、バスの撤退する、廃止する、をどうするのかなどの対策が多かったです。けれど、船を作ったことは、対策ではなく前向きな政策でした。将来、地域の人達がどうやったら喜んでくれるだろうか。どうやったら利便性が高まるか。ダイヤも含めてね。前向きな政策、さらには船という形で目に見える出来上がり。
 船が出来て、就航式の時は交通政策課から移動していて別の課にいたんですが、呼んでもらいました。その当時の役場の担当者は、すごく感謝してくれました。この時、仕事が目に見えて非常に充実した瞬間でした。「この仕事をやっていてよかったなぁ」と思いました。しかも、自分が惚れ込んだ奄美だったので。奄美に少しでも恩返しが出来たかなと思います。やりがいを感じた瞬間でした。


>vol.2 に続く


【お問い合わせ】 マチトビラ(鹿児島起業家留学 事務局) 住所:〒892-0815鹿児島市易居町1番2号ソーホーかごしま15号室(鹿児島市役所みなと大通り別館6階) 電話:099-216-8115 FAX:099-216-8116 Mail:info@machitobira.org http://machitobira.org

第三回 岩切剛志さんに取材 vol.2

3.公務員の仕事をしていて、視野が広がったなと思うことはなんですか?

 研修と、鹿児島プランナーです。
 研修は先程お話したので、(vol.1【公務員の仕事をしていて楽しかったことはなんですか】参照)鹿児島プランナーについてお話します。
 これは、平成22年に立ち上げました。公務員になるとわかりますが、公務員は民間企業と違って、「売上げを伸ばしましょう!」など、みんなが共通の目標を立て、それによって成果が上がって、その成果を基にみんなが評価されて給料が出て決まっていく、そういう組織じゃないです。福祉は福祉、税は税、土木は土木とそれぞれあって、「福祉で、なにか成績を挙げましょう!」といっても「じゃあその成績って何で見るの。優秀な職員ってなにで評価するの。」となりますよね。中々評価もし難い面があります。それに、担当業務や事業を実施すること、それ自体が目的課してしまうことが往々にしてあります。中身の出来不出来はともかく、「○○回済んだ」とか。でも、本当の目的はそうではありませんよね。役所の仕事は、評価が難しいという面があり、それが故に事務処理に埋没してしまいがちだと感じてました。
 また、それぞれの分野で専門性を求められ、そのために、縦割りに陥ってしまうことも否めません。でも、世の中の問題というものは、県庁の縦割りの組織に合わせて起きませんよね。そこで、『他の部署の話や、世の中で何が起こっているのか、物事の事実を見る機会があったらいいんじゃないか』と企画課にいるときに思いついたんですよ。そこで、「誰のために仕事をしているのか」「何のためにこの仕事をしているのか」を思い返すために立ち上げました。
今までに、コミュニティビジネスやソーシャルビジネス、ソーシャルネットワーキング、社会的起業家、地元企業の輸出支援に取り組む金融財団など、その時々のタイムリーなテーマを選んでいます。この他、薩摩剣士隼人に来ていただいたり、美人時計の取り組みなどもありました。この鹿児島プランナーは全くのオフタイムでやっています。仕事が終わる17時以降。各自が少しばかりのポケットマネーを集めて運営しています。でも、講演してくださる方にはほぼボランティアで来ていただいているようなものですね。
この鹿児島プランナーでは、多くの方にお話を伺うことが出来ました。様々な知的刺激を受けて、これからも頑張っていこうと思います。県庁の中に留まっていたのでは聞くことの出来ないお話が聞けて勉強にさせてもらってます。
 

4.取材を終えて

 今回の取材を快く引き受けてくださった岩切さん、本当にありがとうございました。岩切さんは、様々な部署を経験なさっていらっしゃったので、多くのお話を聞くことができてよかったです。特に奄美のことは熱心にお話してくださって、是非とも一度行ってみたいと思いました。国内留学のお話など、県の意外な仕事も知ることが出来ました。常に初心を忘れない心構えは、学生も見習わなければならないと思います。
(インタビュアー:鹿児島大学3年 垂野円佳)






【お問い合わせ】 マチトビラ(鹿児島起業家留学 事務局) 住所:〒892-0815鹿児島市易居町1番2号ソーホーかごしま15号室(鹿児島市役所みなと大通り別館6階) 電話:099-216-8115 FAX:099-216-8116 Mail:info@machitobira.org http://machitobira.org

2013年7月27日土曜日

第二回 新川裕樹さんに取材 vol.1

2013/05/22 @鹿児島県庁

 第二回目のインタビュー相手は、鹿児島県庁職員の新川裕樹さんです。新川さんは、幼稚園の頃から農業関係の仕事に就きたいと思っており、鹿児島県庁に技術職公務員として入庁しました。農協の設立や、経営管理指導のための本を執筆なさるなど、大きな成果を残していらっしゃいます。
 新川さんは、公務員の仕事について一体何を語って下さるのでしょうか。


1.公務員の仕事をしていて熱く語れるお話はなんですか?

 常に熱く、仕事に取り組んできましたが、特に事例を挙げるならば、本の執筆や農協設立があります。
 入庁して最初に、鹿児島県根占農業改良普及所に農業改良指導員として配属されました。そこで農業負債整理資金と出会います。この資金は経営が悪化してしまった農家が借りるものですが、借入を行う農家の経営はとても苦しいものでした。そこで、経営悪化の原因は何なのかを考えました。気づいたのは、経営が悪化した農家に共通していたのが、経営管理が不十分だということでした。本来ならば【いい生産者であると同時に、いい経営者にならなければならない】のですが、その片方が欠落しているのです。ここで、経営指導の重要性に気付きました。
 本来は、農業改良指導員は技術指導を中心に行うのですが,農家の方には「技術指導はいらない」と言われました。農業の現場では、大学で学んだようなアカデミックなことは通用しません。現場には現場レベルのものがあって、それはまだ生産者にはかないません。けれど、駆け出しの僕は何か役に立ちたかったので、生産者は経営管理が苦手な方が多いことに気づいて、農家の経営指導に没頭しました。指導上の必要性を考えて、簿記の資格も取りました。これがきっかけで、現在は税理士試験の勉強をしています。この頃は、パソコン簿記の走りの時期だったので、パソコン簿記を利用して観覧に経営管理が出来るよう経営管理指導の本を執筆しました。この本は、はじめは事務所だけで使っていたのですが、友人や多くの協力があり、最終的には県全体の経営指導の本として配布されることになりました。僕がまだ駆け出し、入庁2年目のことでした。
その後、異動となり補助事業など行政の執行を行う大隅農林事務所を経て、3ヶ所目に沖永良部事務所農業普及課に配属されました。
 沖永良部では、根占でやってきた簿記による経営管理で経営の問題を数値化するだけでなく、現場の農業生産に結びつけることが大事と考え,簿記による経営管理と技術支援を組み合わせた指導体系を確立させました。ここで2冊目の簿記の指導本を執筆しました。現在、県全体で使用されているものはこの本になります。
 また,この頃沖永良部の花産業がさらに発展するよう、生産者に呼びかけて花専門の農協を作りました。農協を作った県職員はあまり事例が無く県内では僕が初めてではないでしょうか。

 このように,本を執筆したり、農協を作ったりということは、県職員として定められた仕事ではなく、プラスαにあたるものです。公務員は定められた業務を問題無く執行すればよく、やらなくても給料も同じです。
 だけど、農協を作っておけば、補助事業も受けられるし(実際に現在受けている)、生産者の経営安定にもつながります。また,経営指導にしても,本も書く必要もなければ、指導体型を作ることもないけど、本を作るということは、今まで指導者によってばらばらだった指導方法が県内一つにまとまるということです。指導方法が同じなら生産者も楽だろうし、次の職員にも自分のやり方や思いを引き継ぐ事ができます。

 
 この熱さを支えてきた2つの言葉があります。ビジネスでは基本の言葉ですが、「you attitude」と「run another mile」です。この2つの言葉は、僕が駆けだしの頃に出会いました。「you attitude」は【相手の身になって考える態度】のことです。「run another mile」は【与えられただけでなく、更に先に進む態度】のことです。
 なにかを新たに行うことは、面倒で大変です。本を作ることも時間を拘束されるし、人のやった事も参考にできないので一人でやらないといけません。けれど、自分が正しいと信じることをとにかくやることが大切です。ただ、僕は時々間違った方向へ行きがちなので、時々客観的なアドバイスをいただきながらですが。最終的に成果に結びつけるためには、理解者を得る事と、周りからのサポートをいただく事も必要だと思います。

>vol.2に続く

第二回 新川裕樹さんに取材 vol.2

2.公務員の仕事をしていて視野が広がったと思うことはなんですか?

 具体例を一つ挙げると、*iiの会の開催です。これは、鹿児島県庁畜産課の頃に僕が主催して始めたものです。iiの会を開催することで、たくさんの異業者の方と出会うことが出来ました。多くの人との出会いから,自分の見ている世界がいかに狭いのかに気付きました。公務員という仕事はどうしても、相手にするのが一部の人たちに偏りがちです。農業の生産現場の声は多く聞きましたが,末端の消費者の意見をあまり聞いたことがありませんでした。人との繋がりを持つことは本当に大切だと改めて感じました。これからも交流を広げて、多くの人の意見を聞きながら、俯瞰の目を持って県政にあたっていきたいと思います。
*iiの会とは‥県の良い物を発信するための会。


3.公務員の仕事をしていて今後していきたいこと、夢はなんですか?

 鹿児島がこれからどんどん発展する夢を見ています。
 就職をするときに、他の就職先もあったのですが,幸いなことに鹿児島に戻って来ることが出来ました。学生時代に県外に出て行く人はたくさんいます。でも,いざ就職するときに鹿児島に戻ってきたくても選択できるほどの職が無いのが現状です。職が無いだけではなく,県民の所得も残念ながら全国では下から数えた方が早いです。

 例えば、愛知県はトヨタがあり,自動車産業が経済を支えています。今から自動車産業を興すのは難しいですが、鹿児島県に合った形で経済が安定するようなものを作らなければなりません。昔の鹿児島は、あまり知られてないのですが二次産業の紡績が盛んでした。磯の偉人館は,実は海外から紡績の職人を迎えるために作られたものです。また大陸との貿易も盛んでした。県が力を入れている主幹産業である農業や漁業の一次産業,また観光などの三次産業を中心としながら,過去,薩摩藩が行ってきた二次産業や貿易関係を見直したり,証券や金融など今までやっていないようなことをして、安定した経済体系を確立させることが重要だと思っています。そのために、力を尽くしていきたいと思います。


>vol.3に続く




【お問い合わせ】 マチトビラ(鹿児島起業家留学 事務局) 住所:〒892-0815鹿児島市易居町1番2号ソーホーかごしま15号室(鹿児島市役所みなと大通り別館6階) 電話:099-216-8115 FAX:099-216-8116 Mail:info@machitobira.org http://machitobira.org

第二回 新川裕樹さんに取材 vol.3


4.学生に伝えたいことはありますか?

  一つ目にニュースの見方に関して。ニュースを漠然と見るのではなく、これが鹿児島県の県政にどのような影響を与えているのか、どういうことをするのかを考えて欲しいです。国会で何か新しい法律が決定された,補正予算がついた,などと報道があるかと思います。これが,鹿児島にはどう影響するか?ということです。
 鹿児島県は,鹿児島県から得られる税金だけ県政を行うことは出来ません。こうした国会で決定された予算が交付金などの形で県まで降りてきて、初めて事業を行うことが出来ます。国会の決定は県に大きく影響します。他にTPP交渉が県内の農業にどのような影響を与えるのか,原発はどうなんだ,常に鹿児島の身近な事を考えながらニュースを見て欲しいと思います。
 次に、なんとなく公務員を目指している方に関して、なんとなく公務員を目指している方には公務員はおすすめしません。給料も決して高くないですし,異動の負担も大きいものです。こつこつと地味に事務を行うだけの日々も続きます。それにも負けず県政について改革する意欲を持ち続け,そして県全体を発展させたいという意志を持った人がいいですね。県は母体が大きいので、改革をすることの難しさには入庁したら気づくでしょう。けれど、思い続け,あきらめ無ければ意外と自分の思いで新しい事ができるものです。いつしか理解者が増え,それができるタイミングが来ます。私は鹿児島を良くしたいという思いを持った皆さんと鹿児島県を発展させていきたいです。

5.取材を終えて

 今回の取材を快く引き受けてくださった新川さん、本当にありがとうございました。新川さんは、技術系の公務員ということで、畜産関係の話を詳しくお話してくださいました。公務員らしからぬ仕事をたくさんしていらっしゃって、とても印象的でした。また、数年ごとに部署が変わるという公務員の特徴を踏まえた上で、後任の方のためになにかを残そうという考えがとても素敵だと思います。畜産系を勉強されている方に、新川さんの業績に続くような、熱いお仕事をしてほしいと思います。
(インタビュアー:鹿児島大学法文学部3年 垂野円佳)




新川 裕樹 (Shinkawa Hiroki)
昭和49年生まれ。九州大学農学部畜産学科卒業後、農業関係の仕事に就きたいと思い、平成10年鹿児島県農政部に入庁。鹿児島県根占農業改良普及所、鹿児島県大隅農林事務所、沖永良部事務所農業普及課、鹿児島県庁畜産課を経て、現在は鹿児島県大隅振興局農林水産部で、高齢化に伴う生産基盤の縮小、コスト高による経営悪化の改善に取り組んでいる。






【2014/02/06 誤記のお詫び】
新川様のプロフィール欄において、生年月日を「昭和61年生まれ」と誤記しておりました。正しくは「昭和49年生まれ」でございました。関係者ならび読者の皆さまには大変ご迷惑をおかけしました。訂正してお詫び申し上げます。


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2013年7月26日金曜日

第一回 郡司清隆さんに取材 vol.2

2.公務員の仕事をしていて視野が広がったなと思ったことはなんですか?

 多くの経験をすることが出来たことです。現在市役所に入庁してから12年目です。これまで配属された職場では、戸籍係、再開発事業、中心市街地の活性化、桜島大正噴火100周年事業を経験してきました。一般事務職という形で入ってきているのですが、いわゆるなんでも屋さんです。多様な部署の仕事に関わることになります。多くの職場に行かせていただくことになります。
 特に宮崎市へ一年間行かせていただいたことは、新鮮でした。自分の自治体を中から見るのとは別で、違う視点から見ることが出来るようになりました。両方の市を比べて、より優れているところや、いいところ、やり方が効率的だなと思うことを発見することが出来ました。鹿児島市の場合は、国の省庁や関係自治体、民間企業、東京事務所などの県外に行くことがあります。鹿児島市役所だと転勤がないだろうな、というイメージもありましたが、意外と県外にも出るチャンスもあって、そこでの経験が自分の中の大きな糧になります。


3.公務員の仕事をしていて、今後していきたいことはなんですか?

 行政の仕事は、【行政が先にたって】行うものもあれば、【行政が支援をして】行うものもあります。私の場合は、民間の方を支援して、物事を進めていくという経験のほうが多いです。行政が支援をすることで市民の方の役に立てたり、民間のみなさんの夢だったり、計画だったりが実現していく。そういったことのお手伝いがこれからも出来ればいいなと思います。その人のその人だけじゃなくて、多くの市民の方々もそれが出来てよかったよね、というようなことがあると、それに関われてよかったなと思うことが出来ます。こうしたことは、これからもやっていきたいです。


4.取材を終えて

  今回の取材を快く引き受けてくださった郡司さん、本当にありがとうございました。郡司さんは、街づくりに関することに多く携わっていらっしゃって、鹿児島の街の裏側を知ることが出来てとても楽しかったです。また、最後の質問である今後に関して、人の夢を手助けすることに喜びを感じているということがとても印象に残りました。これからの鹿児島の街に注目です。
(インタビュアー:鹿児島大学法文学部3年 垂野円佳)




















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第一回 郡司清隆さんに取材vol.1

2013/05/20 @鹿児島県庁

第一回目のインタビュー相手は、鹿児島市役所職員の郡司清隆さんです。郡司さんは、街づくりに携わりたいという思いがあり市役所に入庁しました。街づくりでは中心市街地の活性化に携わり、現在は桜島大正噴火100周年ということで、桜島で行われているイベントの計画を組んでいらっしゃいます。
郡司さんは、公務員の仕事について一体何を語って下さるのでしょうか。



1.公務員の仕事をしていて楽しかったことはなんですか?

  中心市街地活性化推進室の5年間です。中心市街地の活性化をするための基本計画を作り、5年間でその計画を進めていく作業をしました。
 この作業は、自分たち行政だけで色んな事業をやっていくのではなくて、多くの民間の事業者の方々と色々なお話をするチャンスがあり、一緒にお仕事をすることが出来たことがとても良かったです。例えば、マルヤガーデンズの件があります。マルヤガーデンズは、2009年5月に閉店した三越鹿児島店を改装して、2010年4月28日に開店しました。天文館の一つの核というのが山形屋と三越でした。そのような中で三越が撤退するとなった時に、内心「え、どうなるの、天文館‥」と思いました。
 そのような事態になった時に、元々、この地で丸屋デパートを営み、三越と資本提携をしていた㈱丸屋本社さんが建物を改修して商業施設を運営するということになりました。丸屋本社の玉川社長は、「中心市街地、天文館の活性化に役立つ施設にしたい。」と当初からおっしゃっていました。『中心市街地の核店舗である三越が大きな空きビルとなってしまったら、天文館はどんどん衰退していくのでは?』という危機感がありましたので、行政としても、「出来る限りの支援をしましょう!」ということになりました。
  新たに再生するマルヤガーデンズの大きなコンセプトは、『デパートではなく、お買い物の出来る場所ではあるけれど、地域の人達が集まる場、交流の場』です。中心市街地の核店舗の再生に対して、行政は、「どういった支援をすることが出来るのだろう」と考えました。
 その際、私の所属していた中心市街地活性化推進室では、本事業が国から重点的な支援を受けられるよう中心市街地活性化基本計画への掲載を行いました。そして、商業の活性化を所管する企業振興課(現:産業支援課)が、国土交通省から支援を受け入れ、市の補助金と合わせて、丸屋本社に支援を行いました。また、国土交通省との調整や建物改修という専門的な技術が必要なところでは、建設局の市街地まちづくり推進課が全面的なサポートを行っています。
 このように、市の内部でも部局をまたがり3課が連携して、また丸屋本社とも密に連絡を取り合いながら事業を進めることができ、三越鹿児島店の閉店からわずか1年も経たずにマルヤガーデンズの開業に至りました。玉川社長の「ゴールデンウィーク前までに開業する。」という強い意思と、市長の「積極的に支援をする。」というリーダーシップのもと、現場レベルでも連携がとれていたので、上手くいったのかなと思います。
 
 現在は桜島大正噴火100周年事業に携わっています。桜島のことを良く知らなかったのですが、100周年ということで、様々なイベントに取り組んでいます。大きな目的としては、防災啓発というものはあるのですが、危ないと言うだけではダメです。桜島って楽しい、桜島ってこんなことがあると、桜島の魅力を伝えることも大事です。ゴールデンウィークには、桜島・火山の活動や魅力についての解説を受けながら、有村海岸での温泉堀りや、旬のビワ狩り、錦江湾「たぎり」クルージングなどを体験できるイベントを実施し、多くの市民の皆さん満足してもらうことができました。桜島・火山の活動や防災の勉強になったと同時に、私自身とても楽しかったです。



>vol.2 に続く

【お問い合わせ】 マチトビラ(鹿児島起業家留学 事務局) 住所:〒892-0815鹿児島市易居町1番2号ソーホーかごしま15号室(鹿児島市役所みなと大通り別館6階) 電話:099-216-8115 FAX:099-216-8116 Mail:info@machitobira.org http://machitobira.org